外耳炎

犬の外耳炎について|アレルギー体質や耳毛が多い犬種に多い

犬の外耳炎は鼓膜より外側の「耳道」と呼ばれる場所に発生する炎症のことで、強い痒みや痛み、不快感があるため生活の質 (QOL)が大きく低下してしまう病気です。外耳炎は治療によって症状は改善しても、根本的な原因 (耳のお手入れ不足や食物アレルギーなど)を解決しないとすぐに再発してしまうため注意が必要です。

このページでは、当院で実施している犬の外耳炎の診断法や治療法などを解説します。

原因

犬の外耳炎には、以下の原因が考えられます。

・アレルギー(犬アトピー性皮膚炎、食物アレルギー)
・細菌や真菌の増殖
・寄生虫感染
・内分泌性疾患
・自己免疫性疾患
・異物の侵入
・ポリープ
・腫瘍
・構造的性質

犬の外耳道はL字型をしており、耳道が狭く、耳の中が蒸れやすくなっています。特に耳の垂れた犬種(コッカー・スパニエル、ラブラドール・レトリバーなど)や耳毛が多い犬種(ミニチュア・シュナウザーやプードルなど)、アレルギー疾患になりやすい犬種(柴犬、フレンチ・ブルドッグなど)では外耳炎を発症しやすい傾向があります。

◼️アトピー性皮膚炎について詳しくは下記をご覧ください。 
犬と猫のアトピー性皮膚炎とは┃痒みのコントロールし病気とうまく付き合う方法

症状

犬の外耳炎の主な症状は、耳の強い痒みや痛み、腫れ、赤み、悪臭などがあります。また痒みから、頭を振ったり、後ろ足で耳を掻いたり、耳をこすりつけるなどの様子もみられます。

外耳炎を放置すると、中耳炎や内耳炎、耳血腫など耳のさまざまな合併症を引き起こすリスクがあるため、これらの症状がみられた際は早めに動物病院を受診しましょう。

診断方法

「耳を痒がる」、「耳が腫れている」、「耳が臭い」などの主訴で来院したら外耳炎の可能性を考慮して診察を行います
初発か再発か、いつからか、痒がり方 (頭を擦り付ける、後ろ足で掻いているなど)、耳以外に痒がる部分はないか、普段の食事内容など、問診を行った後に身体検査を行います。

身体検査では、食物アレルギー疾患やアトピー性皮膚炎が原因の外耳炎かどうかを判断するために全身の皮膚や被毛の状態を確認します。

また、耳道内の状態を確認するためにヘッドライトや耳鏡、​​ビデオスコープという機械で耳の奥の鼓膜まで丁寧に観察します。特にビデオスコープを用いると非常に詳細な検査が可能になります。

治療方法

・内科療法(外耳道洗浄+薬剤)

通常、耳垢が蓄積していれば、そのままイヤークリーナーや生理食塩水などを使って耳の中の洗浄と薬剤の塗布を行います。さらに、内服薬の投与も有効です。当院では、外耳洗浄の効率と質を高めるため、ヘッドライトと拡大鏡を用いております。また、繰り返す重度の外耳炎には外科手術も考慮されます。

重度の炎症で強い痛みや、ひどい汚れがある場合、鎮静剤を使い耳道の検査と洗浄をすることもあります。鎮静剤には速やかに効かせ、打ち消す薬ですぐ覚ませられる薬剤を使用するので、通常の外来診療で安全に実施できます。

鎮静下、さらには全身麻酔下ではビデオスコープを用いたより詳細な観察と、治療が出来ます。
ビデオスコープ下での外耳治療は格段に高い効果が期待できます。

ビデオスコープで観察した犬の鼓膜   
当院では直径1.6㎜の細径スコープを導入しており、耳道の最深部まで詳細に観察できます。

ビデオスコープで観察した耳道
耳道の検査、治療に有効です。

その後はご自宅で点耳薬や飲み薬を使って、治療を継続します。

食物アレルギーやアトピー性皮膚炎が原因の外耳炎の場合は、アレルギー反応が出にくい療法食に切り替えたり、アトピー性皮膚炎に対する治療も同時並行で行ったりします。

・外科療法┃外耳炎の手術について

慢性の外耳炎に有効な手術があります。(外側外耳道壁切除術)
外耳炎を繰り返すと耳道が狭くなり、通気が悪くなるため、再び外耳炎になり易くなる悪循環に陥ります。そこで手術により耳道の開口を広げ通気を良くすることで、耳道の環境を清潔にする効果が期待できます。

また耳道内に腫瘤が存在すると外耳炎は難治となります。耳道内の腫瘤はビデオスコープで観察しながら切除可能なものもあります。

外側外耳道壁切除手術後
耳道の入り口が開き通気が良くなります。

ビデオスコープで観察した耳道内腫瘤

予防法やご家庭での注意点

外耳炎の予防にはご自宅での観察が大切です。
耳が腫れたり赤くなったりしていないか、黒っぽい耳アカが大量に付着していないかなどを
確認するようにしましょう。

耳掃除は毎日行ったり強くやりすぎたりすると、逆に耳道を傷つけて外耳炎を誘発してしまうためやりすぎは禁物です。外耳炎の治療は動物病院で行ってもらうようにしましょう。

まとめ

外耳炎は、早期に適切な治療を開始して炎症をコントロールできれば予後は良好です。しかし、治療が遅れるなどして重傷化、慢性化したり、内耳炎と進行してしまった場合は長期間の治療が必要になる可能性があるため、普段から愛犬の耳を注意深く観察することが大切です。もしも、気になることがあればすぐに獣医師に相談しましょう。

兵庫県尼崎市と伊丹市との境目、塚口にある動物病院 「しろうま動物病院」
病院案内はこちらから

pagetop

このページの先頭へ

Copyright © しろうま動物病院  Shirouma Animal Hospital All Rights Reserved.