1.5次診療という選択肢

整形外科治療は「1.5次診療」という選択肢も|一次診療と二次診療の違いも解説

「うちの子、足を痛がっているかも…」「最近ジャンプしなくなったけど、年齢のせい?」
そんな変化に気づいたとき、多くの飼い主様が迷われるのが、「どこに相談すればいいのか」ということではないでしょうか。
特に整形外科(骨折、脱臼、靭帯損傷、椎間板ヘルニア等)のような専門性の高い分野では、どの動物病院を受診すべきか判断が難しく、不安を感じる方も少なくありません。

動物医療には、「一次診療(かかりつけ医)」と「二次診療(専門医療)」という2つの段階がありますが、近年はその“中間”にあたる「1.5次診療」という新たな選択肢もあります。

このページでは、整形外科疾患を例に、一次・二次・1.5次診療の違いや特徴について解説します。

一次診療とは?

一次診療とは、愛犬や愛猫の日々の健康管理から、よく見られる病気の治療まで幅広く対応している、いわゆる“かかりつけの動物病院”で受けられる医療です。

ワクチン接種やフィラリア予防といった予防医療はもちろん、下痢や嘔吐、皮膚や耳のかゆみなど、比較的軽度な症状に対しても丁寧に診てくれる、飼い主様にとって身近で頼りになる存在です。

<一次診療のメリット>

・通いやすく、アクセスしやすい立地
・愛犬・愛猫が慣れた環境で診てもらえるため安心感がある
・診療費が比較的抑えられることが多い

ただし、整形外科のように専門性が高く、精密な判断や外科的処置が必要となるケースでは、一次診療だけでは対応が難しい場合もあります。
骨折や靱帯の損傷などの症状では、より専門的な知識・技術、そして高度な設備を備えた医療機関への「紹介」が必要となります。

二次診療(専門・救急施設)とは?

二次診療は、一次診療の病院から紹介を受けた患者さんに対して、専門性の高い治療を行う大規模な動物病院や大学病院で行われる診療です。

特に整形外科の分野では、CTやMRIなどの高度な画像診断機器を用いた検査が可能であり、難易度の高い手術にも対応できる体制が整っています。

<二次診療のメリット>

・専門性の高い獣医師による診察・診断・治療
・整形外科に特化した手術設備や、細やかな麻酔管理体制
・24時間体制での入院や集中治療が可能な施設もある

ただし、その分、飼い主様にとってはハードルを感じやすい点もあります。
例えば、専門施設は都市部に集中していることが多く、通院に時間がかかるだけでなく、予約が取りづらく初診までに時間を要することもあります。
さらに、高度な検査や手術が必要となる場合、費用の面でも大きな負担となることがあり、急な整形外科のトラブルに直面した際は、心理的にも経済的にも大きな不安を感じる方が少なくありません。

1.5次診療という選択肢

整形外科の治療において、「一次診療では対応が難しそう…でも、いきなり二次診療に進むのは負担が大きいかも」とお悩みになる飼い主様は少なくありません。
そうした声に応えるかたちで注目されているのが、いわゆる「1.5次診療」という獣医医療のかたちです。

1.5次診療とは、一次診療と二次診療のちょうど中間にあたる診療体制のことを指します。
地域に根ざした動物病院としての通いやすさや親しみやすさを保ちつつ、一定の専門性や医療設備を備えているのが大きな特徴です。

そのため、予約が比較的取りやすく、アクセスしやすい環境の中で、整形外科をはじめとした専門的な治療を受けられるという、非常にバランスの取れた選択肢といえるでしょう。

特に整形外科の分野では、「診断から手術、術後のリハビリ、定期的なフォローアップ」までを一貫して行える体制が整っている施設もあり、これが1.5次診療の大きな強みです。一次診療の気軽さと、二次診療の高い専門性をいいとこ取りした存在ともいえます。

もちろん、すべての高度な外科手術に対応できるわけではありません。
例えば、脊椎の固定術や再建度の高い複雑な手術など、特別な技術や設備が求められる症例では、二次診療施設への紹介が必要になることもあります。

とはいえ、1.5次診療には、「専門施設への紹介までの待機期間を短縮できる」「必ずしも高度な手術が必要ではない症例にもしっかり対応できる」といった利点があります。

当院(1.5次診療)で対応可能な整形外科手術

当院では、以下のような整形外科の手術に対応しております。

椎間板ヘルニア
重度の椎間板ヘルニアと診断された場合には、外科手術による治療が可能です。

骨折整復
創外固定法・髄内ピン法など、症例に応じた方法を用います。

前十字靭帯断裂
関節の外から補強する「関節外制動法」などを実施しています。

膝蓋骨脱臼
グレード(重症度)に応じた整復手術を行います。

レッグペルテス病
壊死した大腿骨頭を切除する手術に対応しています。

股関節脱臼
脱臼の整復や、必要に応じて手術による管理を行います。

これらの手術については、術前の診断から手術、術後のリハビリテーションや定期的なフォローアップまでを当院で一貫して行うことが可能です。
また、術後の経過を見ていく際も、普段から通い慣れている病院と連携しながらサポートいたしますので、飼い主様にとっても安心して治療を進めていただける体制を整えております。

まとめ

整形外科の治療には、スピーディーで的確な診断と、飼い主様にとって無理のない治療の選択が求められます。
一次診療は身近で通いやすい反面、対応できる範囲には限りがあります。
一方、二次診療は高い専門性を持つ反面、費用の負担や通院距離、予約の取りにくさなど、現実的なハードルも少なくありません。

そうした中で、当院のような「1.5次診療」は、地域に根ざした親しみやすさを大切にしながらも、整形外科を含む専門的な診療に対応できる医療のかたちです。
高度な医療に対応しながらも、二次診療施設より比較的費用を抑えられる点も、大きなメリットのひとつです。

「愛犬・愛猫が足を引きずっている」「立ち上がるときに痛がる、走り回らなくなった」
そんな様子に少しでも気づかれたら、どうぞお気軽にご相談ください。

整形外科の疾患は、早めの発見と治療が、その後の回復に大きく影響します。
「どこに相談したらいいのか分からない…」と迷われたときには、ぜひ当院のような1.5次診療という選択肢があることを思い出していただければ幸いです。

兵庫県尼崎市と伊丹市との境目、塚口にある動物病院 「しろうま動物病院」
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