ウサギの歯科処置

ウサギの歯科処置について|ウサギの歯は伸び続ける

ウサギはおとなしく、散歩の必要もなく、ほとんど鳴かないため、独身の方や賃貸住宅でも飼いやすい動物として人気が高まっています。
しかし、ウサギを正しい知識で飼育している方はまだ少なく、そのため健康上のトラブルも多く発生しています。特に問題になりやすいのが、ウサギの歯のケアです。

このページでは、ウサギの歯科処置について詳しく解説します。

なぜ歯科処置の必要があるか

ウサギの歯は人や犬猫とは違い一生涯伸び続けます

自然界では、よく咀嚼しないと食べることができない草や葉を主食とするため、歯と歯が十分に擦り合い、摩耗することで理想的な長さが保たれています。しかし、飼育されているウサギは柔らかいペレット等を食べることが多いため、歯がすり減りづらくなります。
歯のすり減りが不十分であると、不正咬合(ふせいこうごう:噛み合わせが悪くなる状態)になり、さまざまな健康被害が現れます。また、ケージや壁をかじって歯が欠けてしまい、不正咬合になることもあります。

いびつに伸びた歯は削って整える必要があり、これが一般的なウサギの歯科処置となります。

噛み合わせが悪くなるとどうなるのか

噛み合わせが悪く、歯がいびつに伸びると、食べづらさが生じます。
前歯(切歯)の異常は目に見える場所のため、飼い主さんでも気づきやすいです。
一方、奥歯(臼歯)の場合発見は簡単ではありません。奥歯の不正咬合では歯に鋭い突起が作られ、これが舌の外側や頬の内側に当たって傷をつけます。この違和感、痛みのため、口をクチャクチャさせる、よだれを垂らす等の様子が見られ、食欲があっても食べづらくなります。これが進行すると衰弱し命に関わることもあります。
奥歯の歯の突起を診断するには、ウサギの口腔内を直接観察する必要があり、当院ではヘッドライト等を用いて行っています。

ウサギが常に牧草などを食べているのは、胃腸の動きを維持するためです。しかし、短時間でも絶食状態が続くと、胃腸の動きが著しく低下し、鼓脹症や盲腸うっ滞が生じて、健康状態が急激に悪化することがあります。
そのため、絶食状態が続くようであればすぐに動物病院に連れていきましょう

また、歯が伸びすぎると顔の形が変わったり、涙が増えたり、眼球が突出することがあります。特に奥歯が伸びると、鼻涙管や眼球を圧迫してこのような症状が起こります。
これらの症状はすべて緊急を要する状態ですので、速やかに動物病院を受診しましょう。

処置の方法

不正咬合の処置は、主に異常な歯を削って整えることです。基本的には全身麻酔をかけて処置をした方が確実な治療ができます。
ただし、おとなしいウサギで軽く削る程度で済む場合は、無麻酔で実施することもあります。

不正咬合が見つかった場合、治療後も再び食欲が低下することがあるため、十分な食事量を食べているか、その後の歯の状態に問題がないかを確認するために、1〜数ヶ月に1回程度の定期健診を受けることをおすすめします。

ご家庭での注意点

ウサギの不正咬合を予防するためには、日々のケアがとても重要で、特に食生活には気をつけましょう。毎日、チモシーなどの噛みごたえのある牧草を与えることが大切です。
牧草は繊維質が豊富で、ウサギが噛んで食べることで歯がすり減り、不正咬合を防ぐ効果があります。
一方で、柔らかいおやつを与えすぎると牧草の摂取量が減り、不正咬合の原因になることがあるので、おやつの量は控えめにするよう心がけましょう。

ペットショップで販売されている天然の木のおもちゃを好んでかじるウサギも多いので、必要に応じて準備してあげましょう。
先ほどの食生活に加えて日頃からウサギの様子や食べ方を観察し、食欲が落ちていないか、食べづらそうにしていないかを確認することも大切です。

ウサギを診察する動物病院は限られているため、事前にウサギの治療を行っている動物病院を確認しておきましょう。そして、もしウサギの様子に違和感があれば、すぐに動物病院を受診してください。

兵庫県尼崎市と伊丹市との境目、塚口にある動物病院 「しろうま動物病院」
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